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拒食症の子供のために母親が出来る事は?:娘は食べることがストレスで一日中泣くのです



質問 by まささん

お返事ありがとうございました。
泉先生のお言葉は大変な励みになりました。
毎日愛情と熱意をもって、心理教育を実践しております。
でも娘は日増しに食べるのがつらくなってきているようです。
まるで食べることがストレスを生み、
それが日々蓄積していっているようで、
日増しに良く泣くようになり、
今では朝起きてから夜寝るまで、
つらいつらいと言って1日中泣いているのです。

体重の回復については
まだ1週間ほどなのでなんともいえませんが、
見るに耐えないのです。

そんなにつらいなら食べなくてもいいよと言ってしまいそうです。
また奇妙なことに、
きれいになりたいと思ったことは一度もないと言っています。
ではなぜそんなに痩せたいの?と聞いても
まったくわからないと言います。
まるで何かに強く洗脳されているかのようです。

娘の苦しみを少しでも和らげることはできないのでしょうか。
ほんの少しでいいのです。泉先生、どうか助けてください。

Posted by まさ

泉先生のお答え:

実際に診察させていただいていないので、細かなことまでは申し上げられませんが、
できる限りお答えさせていただきます。

お話から察するに、
おそらくお母さんの優しさにつながるのだと思いますが、
可哀相に思うその思い、
もしくは子どもに申し訳ないことをしているという罪悪感が、
「本当にあなたのやっていることは正しいのか。
子供をつぶしているんじゃないのか。
だって、あなたの思っている通り、子供は苦しんでいるじゃないか」
という迷いを生み、その心が
鏡のようにお子さんにも表れているのかもしれません。

私たちの治療でも、
治療者自身に迷いの気持ちが湧き上がってきて、
辛くなることがしばしばあります。
しかし、その気持ちに引きずられると不思議と、
患者さんはなかなかそのしんどさから脱することが出来ません。

あるとき、私はある患者さんに
「先生のこと、鬼って言っているんですよ」
と言われたことがありました。

実際、病気のピークにある患者さんが私と対峙するときには
みなそのように思っているかもしれません。

私自身も自分の心と戦いながら、
患者さんの持つ病気の心に対しては鬼になっているからです。
しかし、関わる人の、患者さんに病気の行動をさせないようにする
という姿勢だけでなく、
『自分の思いにおいても、患者さんの持つ病気の心には絶対に妥協しない』
と思う心こそが、病気を断ち切るのです。

なぜここまでのことが出来るのか。
それはこれだけの思いを発し、行動する前に、
あらゆる治療の可能性を考えに考え抜いて悩み、その結果、
この患者さんを救うにはこれしかないという結論に達した
という前提があります。

またその結論に至った治療法は、
考えに考え抜いて出した結論ですから、
絶対によくならないはずがないと確信している心があります。

それでもよくならない場合には、
病気の心に厳しくするというアプローチではなく、
どこか他の点で問題点があるのではないかと思います。

ですから、その場合はなぜうまくいかないのかを何度もチェックし、
さらに個々に応じた創意工夫を積み重ねています。

ただ親子であれば、どうしても情がありますし、
上記に述べたような気持ちに至るまでの自分の心との葛藤は
非常に厳しいものがあります。
ですから、やはり本当にいっぱいいっぱいと感じられるのでしたら、医療機関にかかって、
医療者に下駄を預けるのもひとつかなと思います。

また、表面的な技法ですが、食べるのが辛いなら、
「じゃあ、食べるのは止めていいよ。
ただそれでは死ぬからね、その分の栄養剤を飲むようにする?」
と言って、全ての食事を止めて、
必要なカロリー分の栄養剤の飲用に切り替えるのも
ひとつの方法です。

栄養剤を飲めるのであれば、数週間栄養剤だけで様子を見て、
少しくらい食べたいといっても、
今度はすぐには食事に戻さないことです。

食べたいと思っても
すぐに食べさせてもらえないことから生まれるハングリーさで、
再び食事に取り組めるようになります。

ちょっと専門的な治療のお話になりすぎたようですね。

あとお子さんのように、
痩せたい理由がはっきりとせず、
強迫的に何かに洗脳されたかのような状態にある人は、
しばしばいます。特に年齢の低い場合には、
そのようなことが多いように思います。
この点については、特に分析する必要はありません。
分析しなくても、治るときには治りますから。

お母さんの頑張りはかなりのように思いますが、
あまりに辛く支えきれないと思われるようでしたら、
医療機関にかかったほうがいいかもしれません。

ブログに載せている治療論は総論部分だけで、
実際は細かなところでさまざまな創意工夫をしています。
また初めて摂食障害の子供に関わるときの精神力は
並大抵のものではありません。

誰だって力の限界がありますからね。

一人で背負いきらず、
他の方の協力を得ながらやっていくことも、
考えた方がよいのかもしれません。

まささんの前回の質問、
10歳の拒食症の娘を持つお母さんへのアドバイス
も合わせて読んでみたい人はここ(↑)をクリック

posted by ちーひめ at 23:38 | Comment(1) | TrackBack(0) | 質疑応答
この記事へのコメント
お返事ありがとうございました。

今は近所の心療内科に通っていますが、
先生のおすすめいただいた本
「あなたの大切な人が拒食症になったら」を読み、
娘の状態がまさに克明に綴られているのに驚きました。
そして、もう、私たち両親が娘のケアワーカーとなるしかない
と気づきました。私たちは決心しました。
医者の選択を誤ると、逆効果になりかねないと判断したからです。

娘に無条件の愛情を注ぐことには自信があります。
今までもそうしてきたからです。
また、本人に病気の心を自覚させ、その心の言うことを聞かなければ治癒する
ということを理解させることにも成功したと思っています。

でもやはり、娘の重篤な苦しみを見ていると胸が張り裂けそうです。
なぜそんなに苦しむのかも、やはり理解できません。
催眠術などで一時的にでも楽にさせてあげることはできないのでしょうか?
それは良くないことなのでしょうか?

「あなたの大切な人が拒食症になったら」は私たちのバイブルとなりました。
でもこの本を支持しているお医者様は泉先生しか知りません。
怖いです。くじけそうです。
泉先生、どうかお願いです。
私たちをサポートしてください。
ほんの少しでも、どんな形でもかまいません。
どんなに遠くても診察していただけるなら行きます。
メールでご支持いただけるだけでも、多大な心の支えになります。

どうかご連絡ください。
お願いいたします。
Posted by まさ at 2007年03月23日 15:15
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